最近では本当にさまざまな日焼け止めが発売されていて、種類がたくさんありすぎてどの日焼け止めを選べば良いか分からない・・・という人も多いのではないでしょうか?
迷わず日焼け止めを選ぶ基準は、まず「SPF」と「PA」の表示があることが絶対条件ですが、日常でSPFやPAの値が高い日焼け止めを使うのが必ずしも良いとは限りません。
そして、自分の肌質や外出する場所に応じて「SPF」と「PA」の値をきっちり決めることが大事!
SPFとPAの違いを正しく理解して、自分に合った最高の日焼け止めを選びましょう。

日焼けの種類

日焼けには2つの種類があります。

即時型色素沈着
紫外線を長く浴びた後、皮膚が赤くならず、すぐに黒く変わります。
浴び続けると黒さが増していき、シミの原因になることがあります。
この日焼けはUVAによるもので、即時型色素沈着が起こる時間は、浴びてから約2~4時間後と言われています。

遅延型色素沈着
紫外線を長く浴びた後、赤く腫れ、ひどいときには水ぶくれのようになります。
これは「サンバーン」と呼ばれる状態で、4~7日目ぐらいに赤みがひいて皮膚が黒くなります。
これを「サンタン」と呼びます。
サンバーン、サンタンの2段階で皮膚が黒くなる日焼けはUVBの影響です。

「SPF」と「PA」の違い

日焼け止めのSPFとは紫外線B波(UVB)を防ぐ力の大きさ、PAとは紫外線A波(UVA)を防ぐ力の大きさを示します。
これがSPFとPAの大きな違いになります。
それでは、SPFとPAの違いを詳しくみていきましょう。

SPF

SPFの値は、紫外線B波(UVB)をカットする力を示しており、SPF20、SPF30、SPF40、SPF50という風に表示されます。

この数字は、肌に何も塗らない状態と比べて、赤くなってヒリヒリする「サンバーン」が始まるまでの時間を何倍に伸ばすことができるか、という目安。
例えば、SPF20であれば、約20倍、SPF50であれば約50倍に延ばすことができるという意味です。

通常、成人が夏の日差しの下にいた場合、サンバーンを起こす程度の紫外線を浴びるのには約20分かかると言われています。

そこで、SPF20の日焼け止めを塗っておくと、サンバーンを起こすまでの時間を20分×20倍=400分(6時間40分)まで延ばせるという意味。

つまり、数値が高くなるほど、紫外線カット効果が高くなります。
ちなみに、現時点での最高値はSPF50

icon-posting-midashiSPFの値は、以前は100を超える数値を表示したものもありましたが、日本化粧品工業連合会の統一基準により、2000年から50以上のものはすべて50+と表示されるようになりました。
これは日焼け止めの効果としてはSPF50もあれば効果は充分であること、50以上になると測定するときの誤差が出やすいことが理由です。

UVBは地上に届く紫外線の中で、割合は5%と少なく、表皮までしか届きませんが、その破壊力はUVAに比べると強力です。
細胞のDNAにダメージを与え、皮膚がんの原因にもなります。
そのため、長時間外にいる場合は、SPF40や50といった高い日焼け止めを選ぶ必要があります。

SPFの値は高ければ高いほど効果があるワケではない!

サンバーンを起こすまでの時間が長ければ長いほど良いワケだから、要はSPF50の日焼け止めを塗っていたら安心なんでしょ!
と思いがちなのですが、実はそう単純なものではありません。

例えば、数値が低めのSPF3の日焼け止めを塗って外出したとします。
計算上、20分×3分=60分(1時間)は紫外線に当たっても大丈夫ということになります。
ただし、この1時間というのは、肌が赤くなるサンバーンを起こすまでの時間について測定された数値だけであって、サンバーンは起こさずに済むかもしれませんが、小さなシミの元は肌の奥に発生している可能性があるのです。
実際にサンバーンを起こすほどの日焼けをしなくても、シミはできてしまいます。

さらに言うと、SPFの数値は、皮膚1㎠あたり2mgの日焼け止めを塗ったときの効果として測定されています。
量でいえば、顔全体で500円玉くらいの大きさです。

みなさんは顔にどれくらいの量の日焼け止めを塗っていますか?
500円玉くらいの量をきちんと塗っていますか?
私の答えは明らかに「NO」です。
実際には、この量の半分か1/5程度の量しか塗っていない・・・という人がほとんどではないでしょうか?

500円玉くらいの量を塗ろうとすると、肌がベタつくのは必須。
ベタベタすぎてお化粧ができないほどの量になるし、白浮きするのも心配です。
また、日焼け止めを厚塗りしてしまうと、毛穴をふさいで肌に負担がかかり、汗で流れれば効果も落ちます。
ウォータープルーフタイプは汗には強いけれど、肌に負担がかかる・・・。

このようなデメリットを踏まえると500円玉くらいの量の日焼け止めを毎日きちんと塗る自信があるか?と言われると、これも答えは「NO」という人の方が多いのではないでしょうか?

SPFの値が高くなればなるほど、肌への負担は増します。
SPF50という最高値の日焼け止めを塗っていても、薄く塗っていたのでは効果がないばかりか、肌への負担は増!
これが、SPFの値は高ければ高いほど効果があるワケではない!という理由です。

日常使いのSPFはどの数値を選ぶべき?

上記のことを踏まえ、SPF数値にとことんこだわって日焼け止めを選ぶのは危険です。
SPFの値は、あくまでサンバーンの発生をどれくらい遅らせられるか測定し、数値化したものであって、肌細胞の中に発生する「シミ予備軍」まで測定できるものではありません。
なので、SPFの値にこだわらず、状況に応じて日焼け止めを選ぶことが一番大事

では、日常使いではいったいどのSPF数値の日焼け止めを選べばよいのでしょうか?

皮膚学会では「日常使いであればSPF20程度」を推奨しています。
これは、外で過ごす時間が2時間以内で、肌の強さが標準的な人の場合を想定しています。
さらに言うと、SPF値については、20を越すとUV遮断率にあまり大きな差がないのも事実
SPFの値にこだわらず、自分の肌に合ったものをきちんと使う方が大事とも言えます。

SPF30やSPF50の日焼け止めを選んでも、きちんと適量を塗らないと効果は同じ

つまり、上の基準を元に、自分の肌の強さと外出時間でSPFの値を決めて日焼け止めを選ぶのが日焼け止めの賢い選び方!

日焼け止めは、どうしても肌に負担がかかってしまうという点をまず念頭に置いて、自分の肌質と出かける場所や状況によって日常使いの日焼け止めをどのSPFにするか?決めていきましょう。

PA

PAの値は、紫外線A波(UVA)をカットする力を示します。
UVAによって肌が黒くなる「サンタン」を、どれほど遅らせられるかを示したものになります。
SPFの値のように数値で明確に示されず、+~++++の4段階で表示され、+の数が多いほどカット力が強いです。
2013年に4段階表示に改訂され、現時点での最高値はPA++++

UVAは、UVBよりも肌に与えるダメージが少ないとはいえ、地上に届く紫外線の95%を占め、雨や曇りの日でも降り注ぎ、さらに窓ガラスを通過して、真皮の奥まで届いて光老化を促進させます。
そのため、室内にいる日でも「PA」表示のある日焼け止めを塗るのがベスト

+(2~4倍)・・・効果がある
++(4~8倍)・・・やや効果がある
+++(8~16倍)・・・非常に効果がある
++++(16倍以上)・・・極めて高い効果がある

なぜ、このような単純な表示にとどまっているかというと、UVAの影響はUVBに比べるとすぐにはっきり現れるものではなく、測定が難しいため。
UVBは照射後3~4時間でサンバーンを起こしますが、UVAはサンタンを起こすまでに数日を要します。
SPF値やPA値は、実際に人を使って測定しているので、数日後の影響を正確に観察するということが難しいので、おおまかな値として3段階表示が使われています。

また、SPF値は世界中でほぼ共通の基準によって測定されていますが、PA値は日本独自の基準です。

日常使いのPAはどの数値を選ぶべき?

日常使いのためなら、標準の肌質の人であれば「+」、シミができやすい肌質の人であれば「++」のものを選ぶと良いでしょう。